第53回 数字も、暮らしの言葉

/

言葉について考えているうちに、もう一つ気づいたことがあります。

数字も、暮らしを説明する言葉ではないか。

「たくさんある」

と言う。

では、いくつあるのか。

「時間がない」

と言う。

では、何に何分使っているのか。

「しばらく使っていない」

と言う。

では、最後に使ったのはいつなのか。

数字にすると、見え方が変わります。

数字は冷たいものでも、私たちを縛るものでもありません。

使い方によっては、

暮らしの現在地を教えてくれる言葉

になります。

たとえば、

「服が多すぎる」

と自分を責めるのではなく、

「今、何着あるんだろう」

と数えてみる。

評価ではなく、まず事実を見る。

数字には、そんな使い方もあります。

言葉で見立てる。

数字で見立てる。

その両方があると、暮らしはもう少し具体的に見えてきます。