第40回 本ができたあとに残ったもの

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本をつくり始めたころ、目標は「一冊の本を完成させること」でした。

もちろん、本は残りました。

でも、振り返ってみると、それだけではありません。

書き出すこと。

分けること。

人に任せること。

自分で決めること。

違和感を見逃さないこと。

確認する場所を変えること。

一度決めたことを選び直すこと。

そして、どこかで「完」とすること。

本づくりの途中で何度も迷い、そのたびに考えました。

正解を探していたつもりでしたが、最後に残ったのは、

自分で判断するための方法

だったように思います。

そして、もう一つ残ったものがあります。

記録です。

あのとき何に困ったのか。

何を考えたのか。

どうやって決めたのか。

その一つひとつは、作業中にはただの出来事でした。

でも、あとから振り返ると、そこにはたくさんの気づきがありました。

こうして「本ができるまで」というコラムを書けるのも、その時間があったからです。

完成した本だけが、本づくりの成果ではありませんでした。

迷った時間も、やり直したことも、立ち止まったことも。

すべてが、次に使える材料になっています。

だから私は、記録を残しておきたいと思います。

完成したものだけではなく、

そこへたどり着くまでに、何を考え、何を選んだのか。

それもまた、これからの自分への申し送りになるからです。