本を書いている間、私はずっと「つくる人」でした。
文章を書く。
言葉を選ぶ。
ページを動かす。
余白を見る。
間違いを探す。
でも、出版したあとは違います。
本を手に取るのは読者です。
そこで一度、「著者の目」を離してみようと思いました。
初めてこの本を開く人には、どう見えるだろう。
この説明で分かるだろうか。
このページは書き込みやすいだろうか。
次のページをめくりたくなるだろうか。
立つ場所を変えると、同じ本が違って見えます。
暮らしも同じです。
自分には分かる収納でも、家族には分からないことがあります。
自分には便利でも、別の人には使いにくいことがあります。
「私はどうしたいか」と同時に、
「使う人には、どう見えるか」
を考える。
本が私の手を離れたことで、ようやく見える視点でした。

