第37回 完成した本を「読者の場所」から見る

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本を書いている間、私はずっと「つくる人」でした。

文章を書く。

言葉を選ぶ。

ページを動かす。

余白を見る。

間違いを探す。

でも、出版したあとは違います。

本を手に取るのは読者です。

そこで一度、「著者の目」を離してみようと思いました。

初めてこの本を開く人には、どう見えるだろう。

この説明で分かるだろうか。

このページは書き込みやすいだろうか。

次のページをめくりたくなるだろうか。

立つ場所を変えると、同じ本が違って見えます。

暮らしも同じです。

自分には分かる収納でも、家族には分からないことがあります。

自分には便利でも、別の人には使いにくいことがあります。

「私はどうしたいか」と同時に、

「使う人には、どう見えるか」

を考える。

本が私の手を離れたことで、ようやく見える視点でした。